今日は4月1日。新年度が始まり、あちこちの会社で入社式が執り行われています。公務員をしていた時は、1年で一番緊張して迎える日であり、最もあわただしく一日が終わる日でもありました。行政機関は年度ですべての物事が動きます。つまり節目の日。しかも、多くの人が4月1日付で人事異動するので、移動する人も同じ職場に残る人も、双方にとって大変な日でした。慣れというのは怖いもので、当時は毎年の恒例行事みたいに受け止めていました。
4年前の今日(4/1)、私は因島(瀬戸内海にある小さな島)に本社のある会社の総務にいました。入社して半年が過ぎた頃だったので、仕事にも生活にも慣れ、人生で初めてゆったりとした気分で4月を迎えました。これまで4月は慌ただしい毎日を送っていたので、お花見なんて言う気分ではなかったのですが、この年は今年こそはと思っていました。
そして、この日、新卒と中途入社を合わせて約20人の新入社員がやってきました。因島在住の人も数名いましたが、多くは入社(新人研修)のために引っ越してきていました。総務という職種ともともとの「世話焼きな大阪のおばちゃん」の性格が相まって、私は新入社員のお世話係のようになっていきました。
因島は本州から2番目の島で、本州と四国を結ぶしまなみ海道が通っています。多くの人がサイクリングに訪れる場所です。島外から通勤する人にとっては、毎日プチ贅沢気分を味わえます。当時勤めていた会社では、入社後1〜3か月程度、研修期間がありました。(研修期間は人によって違います。)東京と大阪にもオフィスがあり、すべて本社で研修を行っていたので、大半の人が研修期間中だけ、会社が借り上げた社宅に住んでいました。車がないとコンビニすらいけないような地域だったため、彼らは数台の社有車に乗り合わせて通勤や買い物を行っていました。大人なのに自分でいきたいところに自由にいけないというのは、不便ですよね〜。
なので、私(Kumiko)はよく送迎係をしていました。おいしい尾道ラーメンを食べに行ったり、ちょっとした生活情報を教えてあげたり…。私も引っ越した当時は、ところ変わればこんなに違うのかと思うことがたくさんありましたから。例えば、因島には、ファーストフードも、ファミリーレストランも、宅配のピザも、カフェのチェーン店もありません。お好み焼き(大阪で言う「広島焼き」)の宅配があることを知った時は、さすが広島県!と思いました。(大阪で言う広島焼きが「お好み焼き」と呼ばれ、大阪で言うお好み焼きは「関西風お好み焼き」と呼ばれていました。)クリーニングを出しに行くと仕上がりは1週間後だと言われたり、セルフのガソリンスタンドが20:00には閉店したりと、都会の感覚では驚くことがたくさんありました。でも、慣れというのはすごいものですね。半年もいるとすっかり慣れてしまい、ゆったりとした生活を楽しんでいました。
都会で生まれ育った若い人たちにとってはものすごく不自由なのでは?と心配したのですが、彼らは全然気にしていないようでした。何でもネットで注文するので、問題ないそうです。「さすが!平成世代は違う。」と思いました。(笑)
今日の大阪の天気は雨です。桜の季節、雨が降ることが多いですね。桜の開花予想と天気予報を見ながら、お花見の日取りを決めるのは、とても難しい。4年前もちょうどそんな感じでした。因島公園の桜が有名だと聞いていたので、一度行ってみたいと思っていたのですが、なかなかタイミングがつかめずにいました。ちょうどうまく会社の「ノー残業デー」が晴れの日になったので、仕事帰りに夜桜見物に行くことにしました。新入社員にも声をかけると、ほとんどの人が一緒に行きたいと言ったので、15名くらいの大人数でのお花見になりました。
行ってびっくりしたことは、人が誰もいないことです。大人数で来て、よかったと思いました。数名しかいないと、とても寂しく、怖く感じたことと思います。都会だったら、敷き詰められるだけ敷物を並べて、大宴会になることでしょう。静かな空間の中で眺める夜桜と向こうに見える海、忘れられないお花見となりました。尾道にある千光寺の桜もきれいだと聞いています。ここも、桜と同時に海が見えるスポットです。デートコースに最適だと思います。