私(Kumiko)は、積極的に同業者の方とかかわりを持つようにしています。人手が足りずに困っておられたら、率先して助けに行き、経験が浅く、販促や施工で悩んでおられたら親身になって相談に応じます。約3年前、私がこの仕事を始めた時は、誰ひとり助けてくれる人がいませんでした。一人で無我夢中でした。約1年かけて一人前になり、実績と呼べるものができてから、同業者の方に自らコンタクトを取り、少しずつ関わり始めました。自分が何かを得るためというよりは、他者を助けるためにです。
現在では、同じ地域の同業者の方だけではなく、地域の枠を超えて、つながりを持っています。いろいろな人の話を聞くにつれ、迷いが生じる時期もありましたが、それを乗り越えた今となっては、将来向かうべき方向を考える重要な情報源となっています。
札幌では、3月後半に毎年学生マンションの壁紙の “塗り替え” を5〜6人で協力して行っているそうです。管理会社の段取りがよいみたいで、あらかじめ退去予定日(わかれば時間も)のリストが渡され、退去した時点でどの部屋とどの部屋の施工を行うか、すぐに電話連絡があるそうです。
私も別件で、大阪の同業者の方の応援で、学生マンションの施工に行ったことがありますが、現場に行っても鍵がなくて中に入れないとか、退去予定日は過ぎているのにいまだに入居中で施工できないとか、いろいろトラブルがありました。正直、かなり振り回されました。施工単価だけではなく、段取りの良さというのは、重要なポイントだと思います。
また、大手企業のリフォーム部門からの仕事も受託し始めたという話を伺いました。受け皿がある(施工体制がある)というのは、強みになるのだと改めて感じました。
昨年の11月に、福岡の同業者の集まりにお邪魔させていただいたことがありました。その際に、地域最大手の不動産会社から取引の打診を受けているという話が出ていました。その後の状況についてお伺いしたところ、施工単価が折り合わなかったということでした。次の大口案件の打診があった時のために、今後の体制について6月に集まって話し合う予定だという前向きなお話を伺うことができました。次のチャンスに備えて、着実に準備していくことが重要なのだと思います。
施工単価が多少安くても、効率よく施工することができれば、利益が出ることもあることを、私の方から事例を挙げて説明しました。とても参考になったと仰っていました。様々な角度から分析し、検討するということが大切ですね。
日々、事業活動を行う中で、成功も失敗もたくさん経験します。それらの情報を集め、分析し、将来のための予測を立てる(今後進むべき方向性を見極める)というのは、とても大切なステップです。多くの組織では一般的に行われていることですが、職人の世界にはその概念があまりないように感じます。でも、長期的に成長し続けていくためには、欠かせないことのように思います。
同じビジョン、同じ方向性をもってともに歩んでいく仲間を少しずつでも増やしていきたいと思います。いばらの道ではありますが、地道な努力がやがて報われる日が来ることを信じて…