真夏の暑い日に、ホームページを見たと言って、電話がかかってきました。リビングと玄関の壁紙を塗り替えてキレイにしてほしいという依頼でした。住所をお伺いしたところ、スカイツリーの近くでした。大阪出身の私は、「スカイツリー=観光でいく場所」だったので、仕事で行くというのは、少し変な感じでした。
お伺いしてみると、二世帯住宅の3階部分でした。ご主人は、この土地で生まれ育ったそうです。スカイツリーができて、駅前に賃貸マンションが増えたとおっしゃっていました。これまで、スカイツリー周辺しか行ったことがなかったのですが、1キロくらい離れると古い民家もたくさんあり、「下町」を感じました。
ご主人は、綺麗好きな方のようでした。小学生の子供が二人いるご家庭には思えないというのが、最初にお伺いした時の印象でした。どうやら、ご主人が一生懸命、子どもたちが汚れた手で触ったものを拭いて回っていたようです。
ご夫妻は喫煙をされるため、壁紙は若干ヤニで黄ばんでいました。そして、ところどころ、経年劣化により、壁紙がめくれかけていました。壁紙をきれいにしようと思って洗剤をつけてこすったところ、かえってムラになって汚くなってしまった!そこで、どうにかできないかインターネットで調べていたところ、当社のホームページを見つけたそうです。
壁紙の種類や状態により、作業のしやすさが異なり、仕上がり具合も異なります。作業効率や収益的な視点からすれば、一定の作業時間でできることを提供するのがいいのかもしれませんが、当社の場合は違います。できる限り仕上がり具合を高くするというのが、目標です。そのため、時間が予定よりも大幅にかかることもあります。
今回のお宅も、そうでした。ムラが出やすい感じがしたので、少しずつ丁寧に塗りました。時と場合により、何がベストであるかは異なります。勘と経験がものを言う部分でもあります。お客様の立場に立って、親身に相談に乗る、それが当社の基本方針です。
写真は、玄関にある折り畳みの腰掛の部分です。広げてみると、もともとの壁紙の色がよくわかります。これだけ、汚れていたということですね!
施工当日は、お盆期間中であったため、ご主人も仕事がお休み、子どもたちも夏休みで家にいました。お子さんたちは、私が何をするのか、興味津々な様子でした。最初は、影からそっと見ていたのですが、だんだん仲良くなって話をするようになりました。脚立に乗って、黙々と作業する私の姿が、カッコよく映ったようです。「私も将来社長さんになりたい!」そう言っていました。途中で、下の階に住んでおられるお父様も様子を見に来られました。
今回は、アイボリー系の色で塗りましたが、ずいぶん白くなったように感じました。ご主人からは、「まるで張替えたようですね。みんな知らないだけで、テレビで取り上げられたら、ものすごい反響がありますよ。」という、ありがたいお言葉もいただきました。
最後は、家族4人でお見送りです。「きっと、またお願いすると思います。」私自身も、心温まる1日でした。