思いがけない電話

私の携帯電話が鳴りました。見覚えのない番号だったので、誰だろう?と思いながら電話を取りました。約半年前にデモ施工を行ったことがあるビジネスホテルのスタッフの方(アシスタントマネージャー)でした。当時、ご依頼をいただいた統括支配人は、グループ内の他のホテル(ディズニーのパートナーホテル)に移動になり、その方も別のビジネスホテルに移動になったと言うお話しでした。
そして、移動先のホテルで喫煙ルームを禁煙ルームに変更する計画があり、ヤニで黄ばんだ壁紙・クロスをクロスメイクでキレイにしたいと言う相談でした。年々、禁煙ルームの需要が増え、禁煙ルームは満室でも喫煙ルームは空室があるという状況が続いているそうです。ホテル全体の稼働率を高めるには、喫煙ルームを減らし、禁煙ルームを増やす必要があるわけですね。


とりあえず、現地調査へ

ヤニ汚れがひどく、触るとべとついていてボロボロしているので、施工できるかどうかを心配されていました。とりあえず、現場を見てみないことには、始まりません。早速、現地調査に伺うことにしました。
現地に伺ってみると、かなりヤニ汚れがありましたが、“塗り替え”で対応できる程度でした。工期を短くしたいと言う希望があったため、普段からお付き合いのある同業者の方に応援をお願いすることにしました。でも、やはり職人仕事なので、技術レベルは人によって様々です。安心してご依頼いただくためにも、テスト施工の際にも、その同業者の方にいっしょに来ていただくことにしました。


「安心して任せられます!」 それが最高の褒め言葉

テスト施工は、無事OKをいただくことができました。次は、日程調整の上、本格的な施工です。今回のリノベーションには、壁紙・クロス“塗り替え”以外の工程も含まれていたため、調整に時間を要したようで、約1.5カ月先になりました。ホテルの稼働状況も加味しながらの工期決定のため、日程の調整も大変だったようです。
施工開始の2日前に、私の携帯が鳴りました。ホテルのアシスタントマネージャーからだったので、何事だろうと思って電話を取りました。施工期間中、ずっと別の場所での勤務になり、立ち会いができないとのお話でした。お忙しい方なのは重々承知していましたが、期間中ずっと不在というのは、意外でした。そのような状態で施工が始まりましたが、他のスタッフの方にきちんと引き継ぎがなされていたので、特に困ることはありませんでした。
施工の期間中、他の場所に出勤する前に、様子を見に来られました。「自分がいなくても、安心して仕事を任せられます。」というお言葉をいただくことができました。グループの品質管理部や統括支配人からも「問題ない」という評価をいただき、無事、検収完了しました。
今回の施工は、協力していただける同業者の方がいらっしゃったからこそできました。同じ志を持った仲間のネットワークの大切さを感じた出来事でした。