私はよく「どこで、起業の仕方を学んだのか?」と聞かれます。私は経営学を学んだことがありますが、そこでも「会社のつくり方」は習いませんでした。ですので、私も最初、どうしたらいいのだろう?と思いました。
インターネットで調べれば、ほとんどの情報を得ることができます。私も、それを参考にしました。ですので、あえて私が書くまでもないのですが、逆に情報が多すぎて、私自身が何を選んでいいのかわからなくなってしまったので、私が、何を考え、どう感じ、どう行動したかを中心に、少し書いてみたいと思います。
グーグルなどの検索エンジンに「会社設立」と入力して検索すると、税理士事務所、司法書士事務所、行政書士事務所などのリスティング広告がまず最初に上がってきます。自分で設立登記したい人が使える「ひな形」がダウンロードできるサイトもたくさんあります。
まず、会社設立を自分で行うのか、専門家に依頼するのかを決めなければいけません。気になる会社設立にかかる費用ですが、業者に依頼しても自分で行っても大きくは変わりません。
紙定款の場合、「公証役場に払う定款認証手数料」「定款に貼る収入印紙代」「法務局に払う登録免許税」を合わせて24万円だったと思います。それに別途、印鑑の作成代金等が発生します。
電子定款にすると収入印紙代4万円がかかりませんが、住民基本台帳カードが必要だったり、ICカードリーダーなどの備品の購入が必要だったり、手間と時間がかかります。
業者に依頼すれば、電子定款のため収入印紙代の4万円がかからず、手数料次第で、自分で行うよりも安くなる可能性があります。
私(Kumiko)は、自分ですることに決めました。生まれて初めて公証役場というところに行きました。これも1つの社会勉強です。
業者に依頼した方が、早くて安いかもしれないとはわかっていましたが、社長として、定款に何が書かれていて、どういう事項が登記されるのか、知っておく必要があると思いました。もちろん、業者に依頼しても、出来上がったものは手元に残るので、内容を知ることはできますが、人がつくったものを見るだけでは、頭の中に残らないような気がしました。
「会社の設立は1回きりのことだから、覚えて自分でできるようになっても仕方がない。どうせ覚えるなら、他のことにしたら?」と言われましたが、「将来、また別の会社を来ることだってあるでしょう?」と私は思います。(別に特別な計画があるわけではありませんが…)
法人登記の手続きを行うのは、会社の本店所在地を管轄する法務局です。私の場合は、本店所在地が「大阪府豊中市」ですので、「大阪北支局」でした。「商業・法人登記」は「不動産登記」と管轄が異なるため、注意が必要です。
なお、予約制ですが、法務局で登記相談を行っています。もちろん、費用は無料です。紙ベースですが、登記に必要な書類のひな型ももらえますし、書類の書き方についてアドバイスももらえます。時間に余裕があり、自分で登記を行おうと思っておられる方は、一度相談してみるとよいと思います。なお、申請は郵送でも行えます。
法人登記の手続きを行うにあたり、法人の印鑑(実印)を用意し、公証役場で定款の認証を受ける必要があります。公証役場の場所は、法務局でも教えてもらえますし、インターネットで検索して調べることもできます。私の場合は、公証人に事前に定款の案をFAXで送り、内容に不備がないかチェックしてもらいました。いざ行ってから不備があって出直しというのは、嫌ですから。事前チェックを行ってもらえるかどうかは、公証人によって異なるかもしれませんので、あらかじめ、電話で確認することをお勧めします。
法務局に登記に行った際に、「書類に不備があれば○月○日までに連絡します」というようなことを言われます。その日までに何の連絡もなければ、無事登記が完了したということです。再度、法務局に出向き「印鑑カードの発行手続き」を行い、「履歴事項全部証明書」「印鑑証明書」を取得します。税務署での手続きや保険関係、銀行口座開設等で必要になります。
≫ 「商業・法人登記申請」に関する詳細はこちらから(法務局のホームページ)
税務署、都道府県税事務所、市役所で、税金関係の手続きも必要になります。従業員を雇えば、年金事務所や労働基準監督署、ハローワークでも手続きが必要です。従業員を雇っていなくても、役員報酬の支払いがあれば、年金事務所での手続きは必要です。
各種手続きは、インターネットで簡単に調べられます。分からなければ電話で問い合わせることもできますし、士業の先生方に依頼することもできます。
法人の銀行口座開設は、個人の口座開設とは少し勝手が異なります。金融機関ごとに必要書類や手続きの流れは異なりますが、手続きに行ったその日に口座開設はできず、審査が行われ、後日、その結果の連絡があります。また、本店の所在地近くの支店でしか口座開設ができない金融機関も多いので、事前に相談を行った方がよいかもしれません。(私の場合、個人事業主から法人化しましたが、個人事業主の時の所在地と法人の本店所在地が異なったため、金融機関の支店も異なりました。)キャッシュカードの作成に費用が掛かる金融機関もありました。金融機関ごとに対応がまちまちでしたので、慎重に検討した方がいいかもしれません。
法人設立前は、いろいろすることがあって大変そうに感じましたが、いざ、やってみると、そうでもなかったように思います。
目の前の1つ1つのことを着実に行うこと、当たり前のことですが、その一言に尽きるような気がします。